Sさん
貴方は、その見かけと何の繋がりもないこの変態行為を、全く別の個体でも見る時のような印象を私に訴え、一瞬手元をとどまらせた。
だが、行儀の良い言葉使いのまま、次第に貴方は錯乱し始めた。
私も同じく、私の本性が自身の戸惑いに耐えられなくなり、貴方の軀も精神全てをひっくり返してやろうと思った。
当然ながら、この行為が綺麗事を装ったまま終わるはずもなく、貴方はすっかり朽ち果てた軀を強張らせたまま呆けて、生気のない眼で天井を仰いでいた。
それでも、品の良さだけは最後まで崩れる事はなかった。
……中々やるわね。