写メ日記

7月20日

2024/07/22 22:34:29

Tさん
精密に眺められていた。
一定に保たれたその距離から、遠近法が狂ってしまいそうなほど目を張り付かせて。
その真剣で精密な視線に応えるべく、私も同じように見つめ返し、耳の中に蜂蜜を垂れ流すような呟きも添えた。
震える軀は、次第に強張り始める。
欲の水嵩を増した喉奥からは、堰を切ったように嬌声が吐き出されて、同時にあらゆる箇所が昂まりを魅せた。
穏やかな水面、小さく波立ち広がる波紋も、気付けば返す大波にさらわれてしまう。
気を付けて。

差し入れありがとう。



Yさん
縄から降ろす前に、貴方は既に頭と唇が痺れており、言葉さえも意識の遥か遠くへ置き去りにして来たようだった。
何処を見ているでもなく、朧げに仰ぐ天井には、揺れるカラビナが虫の鳴き声のような音を立てて貴方を見下ろしていた。