6月25日
2024/06/27 15:23:43
Iさん 焦ったく耳元で囁いた時、貴方の首元から薄っすらと、上気した汗と草木のような縄の匂いが漂った。 身動ぐ度に縄は拘束を強め、軋む音が吐息に重なる。 鍛えられた筋肉を纏う茶褐色のよく焼けた肌は、大波の如く荒れ狂い、隆起する軀に流れる汗の玉らは、下に落ちること無く弄ばれていた。 唇の色が次第に無くなり始めた。 反面、夕暮れの陽より赤く染まる局部は、ぞくりとするほど艶かしかった。 足に絆されて、果ててしまう迄は。 Sさん 追い込むのは好きだ。 耐えうる限りの欲を浴びせ、快感に伴う苦痛に歪ませる顔を見下ろした時、何か言いたげな眼で恨みがましく見上げられた瞬間は、最高に脳汁が溢れ出る。 食すわけでも無く、ただ捕らえた獲物の命を弄ぶ猫のように、我が身の下で悶える貴方は大きなネズミのようだった。 それも、随分と可愛らしい容姿の。 怪我が治ったら、思いっ切り弄び……遊びたいわね。 くれぐれもお大事に。 Tさん 肉体の点火には、精神的な強制力が卑しく働くらしい。 支配されている現状を自覚させるのとさせないのでは、その快楽に天と地ほどの懸隔がある。 貴方の軀はもうすっかり、そんな風に変わってしまった。 私の喜びが、己の悦びになるほど。