写メ日記

6月4日

2024/06/05 15:36:00

Nさん
羞恥の時間は此処でも続く。
声まで載せられないのが残念だ。
だが、鼓膜をくすぐるあの声を思い出すだけで、首を後ろへもたげて、長いながい溜め息が、ゆっくりと自然に漏れ出してしまうのだから、写真の効果も満更ではないらしい。

6月1日

2024/06/05 15:33:38

Yさん
喉元に添えた指先に、軀を傾ける。
圧迫で充血した眼はやや涙ぐみ、その大きく開いた瞳孔にはしっかりと私を捉えていた。
唇を震わせ、か細くなる呼吸と脈を手のひらに感じながら、更に覆い被さる。
少しだけむせて、貴方はまた笑みを浮かべるのだが、その目線は私……を通り越したずっと先を見ているような、虚ろで快楽以外の全てを放擲した愚者の末路そのものに見えた。
もうじき意識も手放す頃だ。
既に視界も思考も、朝霧の濃く煙る中を漂っている状態にあり、私の声も殆ど届かなくなっている。
だから最期にひと言。
これだけ聞いて、堕ちなさい。



Nさん
人間ブランコは愉しい。
日頃の鬱憤も、足で蹴り上げて一気に加速させれば、しがらみも常識も、過ぎ去る景色の彼方へ全て置き去りにしてしまえるのだから。
ほんと、病み付きになる。
煌めくブーツは貴方の姿を取り込み、乱反射する照明は、私達の気狂いを助長させた。
今夜は全部忘れましょう。
快楽主義の名のもとに相応しい、平穏な夜に。

差し入れありがとう。