写メ日記

4月29日

2023/04/30 15:58:19

Hさん
香水に例えると
トップノートは恐れと息苦しさ、ミドルノートは安堵と好奇心、ラストノートは快楽と渇望。
指先の緊張を徐々に強めてゆけば、欲は体内を昇降循環し、瞬く間にむせかえるほど淫靡な香りで室内を包み込んだ。
半分もない意識下でさえそそり立つ愚息。
紙一重の危うさに取り憑かれた悪い子の成れの果てである。



Nさん
稲妻のカットラインがシュールで笑う。
ハート型が幾分もマシに思えた。

4月22日

2023/04/23 19:39:08

Dさん
吊し上げれば、白昼の寂寞を破る悲痛卑猥な嬌声が床から煙のように上がってくる。
和室ではパンプスを脱いでいたので、ストッキング越しの足で顔を踏みつけると爪先が濡れている事に気付いた。
泣いているのかと思い、その足で顎を持ち上げると、涙の代わりに出ていたのは涎だった。
なんともだらし無い顔である。
虚な恍惚顔で口元から糸を垂らす姿を見れば、彼が仕置きを受けているとは誰一人思いもしないだろう。

4月18日

2023/04/20 23:12:08

Yさん
誰よりもひとしきり拘った衣装は、ストーリーから思い描く耽美主義の華麗な様式美のあらわれ。
設定に不可欠な衣装を身に纏えば、にわか話に互いの興が動き出し、妄想の纏まらないまま本能に操られ手足を伸ばす。
卑しい欲が強い筆圧のように軀中に跡を残して、それらを舐め取るふうに指で辿り確かめれば、獣を思わせる貴方の荒い息が全身を震わせ一部を硬直させた。
滑らかな黒サテンのグローブに白濁がよく映えていた。

素敵なギフトありがとう



Tさん
幼少期の原因もさることながら件の検査というものが飛沫を及ぼしたのだと思えば、貴方に業を強いる必要はないように思えた。
粗雑だが性根は素直な性癖だし、鍛え甲斐のあるマゾ根性も私に気兼ね無しにすくすくと育つ。
わざと歪ませるよりも、芽が自然に伸びる方へと道を繋いで行くのが結果的に面白くなりそうだと感じる。
浅はかに期待し過ぎも良くないが、可能性は信じたい。

4月15日

2023/04/17 11:05:21

Gさん
鷹揚に微笑を浮かべながら差し出された一枚の紙。
始終無言の貴方の代弁らしい。
……なるほど。
目を通してその意味を理解する。
動作音だけが響く張りつめた室内では、お互い無言を貫き合い、一方的に欲をぶつける私と、悩ましい苦悶の表情でそれを受け続ける貴方の淫ら姿が、切り取られた一枚の美しい写真のように窓枠の影に収まっていた。
このまま時間を止めて飾っておけないだろうか。
そんな気持ちを見透かしてか、又は同じ気持ちになったのか、小さな反応さえピタリと止めた貴方は一点だけ見つめると呼吸も最小限に留めた。
私も手を止めた。
少しだけ美術鑑賞に耽った。

4月11日

2023/04/13 10:58:04

Sさん
タオルをひん剥くと隠し持っていた粗末な愚息があらわれた。
前世で相当な悪行でも働いたのだろうか。
あまりの不憫さに、詰り蔑む以前に絶句しそうになる。
こんな物を一生身に付けたままという惨めな人生など、憐憫を悦びにすり替え己を誤魔化さなければ生きていけなかったかもしれない。
そう思えばこの歪んだ性癖にも納得がいく。
だか生憎な事に「来世も今と全く同じ粗末な愚息のまま生まれ変わる」のは確実で、必死の努力も水の泡となろうとは夢にも思わないのであろう。

不遇……いえ寧ろご褒美ね。
あの続きはこれで良かったかしら。



Kさん
真っ直ぐに見上げる瞳に酔いしれていたかったけど、すぐさま思い直す。
愛でるのは後だ。
まず躾。