7月9日
Kさん
誘惑に対峙し、一瞬迷ってから思い止まった貴方を見て、意地の悪い興味が湧いた。
逃れる術をひとつ、ひとつ奪いながら、肥大した欲の塊を小出しに与え続けた。
すると暗がりの灯火を目が自然と追うように、何も手出しが出来なくなると悟ると、自衛に目を瞑る訳でもなく、何か他の手立てはないかと目で探そうとするのだ。
だが時すでに、だ。
目前に迫るのは、視界全てを覆う欲の塊。
考えも抗いも見失えば、後は誰に伺うでもなく己の欲望に従うのみ。
たらふく喰らうのを待ち、満ち足りた頃を狙って、鵜飼の鵜のように残らず取り上げるのだ。
永遠に満たされない欲に執着させて、貪欲な怪物を作ってみるのも一興、かも。
同日二度来てくれてありがとう。
Mさん
深い汚辱に膨れ上がる肉棒を恥じて、顔を伏せた。
顎を掴み、頭を起こし、耳元で屈辱的な恥部の惨憺たる様を散々吹き込んでやると、プライドの高そうな顔は、性質との葛藤で卑しくも、厳しくも歪んで定まらず、滾りっぱなしの軀に混乱する貴方の目からは潮が滲み出ていた。
可愛さに……思わずときめいた。
目尻を指で拭って、口にねじ込んだ。
貴方の本音は、どんな味がしたのだろうか。