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写メ日記 | 性・食・考
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殉(じゅん) |
性・食・考 |
秋の夜長と言うには、まだまだ昼間は陽気が続いていますね。 復帰早々、資格勉強で間が空いてしまいましたが、次回は予定通り、15日金曜日に出勤予定です。 普段は隠された、他者の性癖を目の当たりにできる愉しみを再び味わうにあたり、この秋久しぶりに、私の性癖の原点とも言える本を引っ張り出しました。 江戸川乱歩のこの作品は、他のメジャータイトル(この本の場合は『暗黒星』)と共に収録されており、乱歩作品の中でもかなりマイナーな立ち位置です。 『闇に蠢く』という題名通り、暗く陰鬱な沼の淵で遊んでいるうちに、足元がそこに沈んでいくように、物語に引き込まれる作品です。 乱歩作品といえば、名探偵明智小五郎や小林少年の活躍を描いた推理小説が広く知られていますが、SM嗜好を真っ向から描いた『陰獣』など、S性・M性はもちろん、様々な嗜好、フェティシズムを主軸とした作品も数多くあります。 この『闇に蠢く』では、乱歩作品でおそらく唯一、食フェチ、及びカニバリズム(人肉食)が登場します。 人が人を食べる、それは現実社会においては、「ひかりごけ事件」や「アンデスの聖餐」、戦時下や飢饉の中での、生存の為の手段としてそこに行き着いてしまった事例が数多くあります。 同時に、生存手段としての人肉食が、嗜好に転じてしまった事例や、西洋の猟奇殺人犯が性的興奮から人肉食嗜好に至った記録も数多く残されています。 この『闇に蠢く』は、「始まりは緊急時の生存としての人肉食、しかしそこから何かが変わってしまった登場人物たち」が、細やかに描かれています。 人が人を食べる、なんて、絵面としてはホラー映画(それもかなりキツめのスプラッター)ですよね。 この物語の結末も、これが小説(文字)で良かったね…と思えるような、おぞましい景色で締められています。 しかし、「狂おしいほど愛しい相手を食べたい」という、ままならない、狂った欲求を叶えきった男の、実に美しいラストシーンでもあり、初見から20年近く経った今でも、私の大好きな作品であります。 読書が好きな変態紳士方 もし機会があれば、是非読んでみてください
[2024/11/13 17:34]
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